Thursday, June 19, 2014

それぞれの思いが交錯する40代たちのシャフト選び

好転のきっかけになったのは、ドライバーからアイアンまで挿しているカーボンシャフトの硬さを1フレックス下げたことにある。「今週から軟らかいシャフト に替えた。そういう時期かなあ、と思って。ラクに振れるようになったし、もう若い時とはスイングのリズムも違う。それに合わせてシャフトも選ばないといけ ない」。ハードスペックからの移行は、「亨さんもシャフトを替えていた」という鈴木亨の影響もあった。

今年で48歳を迎えた鈴木に聞けば、シャフト性能に助けを求めるようになったのは昨年ごろから。鈴木は言う。「体がうまく動いてくれたのは45歳くらいま でかな。自分の中でミリ単位で、段々と変わっていくのを感じた」。昨年オフにはカーボンシャフトを差したアイアンもテスト。調整がつかずスチールに戻した が、重量はS400かS200に落とした。「体が動かなければ、シャフトに仕事をしてもらうしかない」との境地ではあるが、前週開催の下部ツアーでは若手 たちを相手に優勝。体とシャフトの変化をスムーズに馴染ませながら、まだまだ健在ぶりをアピールしている。

その一方で、2週前の「日本プロ」で7年ぶりの優勝を飾った45歳の手嶋多一は、「ここ10年、シャフトを替えることはあるけれど、硬さや長さは替えてい ない」という。理由はこうだ。「易しさは求めたい気持ちもあるけれど、それに甘えて自分が振れなくなる恐怖感がある。俺はまだ振れるんだ、と。なるべくな ら、そこは守りたいんです」。同年代の藤田寛之もまた、「シャフトのスペックを落とすつもりはないですね」と、手嶋と似た境地にいるのかもしれない。